生薬の話
さまざまな血のトラブルを解決に導く生薬
牛黄[ゴオウ]
ゴオウの薬効としては『神農本草経』に「驚澗寒熱、熱盛狂痙」という記述があります。
現代の言葉に直すと、驚いて卒倒した者や高熱で痙攣を起こした者、精神異常をきたした者に効くという意味です。
また、時代が下って漢の時代の漢方書『名医別録』には、「小児の百病、諸澗熱で口の開かぬ者、大人の狂掘を療ず」とあり、つづけて「久しく服すれば身を軽くし、天年を増し、人をして忘れざらしめる」と記されています。
これはゴオウが「子どものあらゆる病気、口も開けないほどの高熱、大人の精神錯乱など幅広い症状」に用いることのできるお薬で、しかも長期に渡って服用すると「寿命を延ばし、物忘れしなくなる」働きも期待できることを示しているものです。
ゴオウはまさに赤ちゃんからお年寄りまで年齢を問わず効果をあらわす貴重なお薬といえます。
現代の言葉に直すと、驚いて卒倒した者や高熱で痙攣を起こした者、精神異常をきたした者に効くという意味です。
また、時代が下って漢の時代の漢方書『名医別録』には、「小児の百病、諸澗熱で口の開かぬ者、大人の狂掘を療ず」とあり、つづけて「久しく服すれば身を軽くし、天年を増し、人をして忘れざらしめる」と記されています。
これはゴオウが「子どものあらゆる病気、口も開けないほどの高熱、大人の精神錯乱など幅広い症状」に用いることのできるお薬で、しかも長期に渡って服用すると「寿命を延ばし、物忘れしなくなる」働きも期待できることを示しているものです。
ゴオウはまさに赤ちゃんからお年寄りまで年齢を問わず効果をあらわす貴重なお薬といえます。

人生を燃え立たせるエネルギー
鹿茸[ロクジョウ]
和扇崖という生薬学者が著した『本草綱目』の中でロクジョウは、「精を生巳髄を補い、血を養八陽を益し、筋を強くい骨を健やかにし、一切の虚損、耳聾、目暗、眩量、虚痢を治す。」と記されています。これは「生命力を増し、骨髄や血の元となり、元気をつけ、筋肉を強くい骨を堅く丈夫にし、体力の消耗によるあらゆる病、難聴、目のくらみ、めまい、下痢や腸の疾病を治す。」という意味です。
つまり、ロクジョウこそは、両親から授かり、持っ て生まれてきた”生命力”をフルに発揮させるた めの生薬。腎の中にあり、人生に“バイタリティ” をもたらす「命門の火」を長く燃やしつづける燃 料ともいうべきお薬なのです。
戦後間もない頃の日本人の平均寿命は、約50歳。ところがいまでは、男女ともに80歳を超えて日本は世界に名だたる長寿国になりました。
寿命が急伸した現在では50代や60代で「老年期」に突入してしまうわけにはいきません。
「腎」の高揚期を少しでも長く引き延ばし、元気”に活躍しなくては生きている意味が半減してしまうからです。
生命活動の基本である「腎」が不足すると、全身の疲労倦怠感や冷え、脱毛や目のかすみ、夜間 頻尿につながります。また、子どもには発育不良 や夜尿症が現れます。
そうならないように、「腎」を高いレベルで維持することこそ“元気”の秘訣です。天皇をはじめ高貴な人が「薬猟」に出向き、こぞって求めたとい われるロクジョウは、まさに「健康」を叶えるため のお薬といえます。
つまり、ロクジョウこそは、両親から授かり、持っ て生まれてきた”生命力”をフルに発揮させるた めの生薬。腎の中にあり、人生に“バイタリティ” をもたらす「命門の火」を長く燃やしつづける燃 料ともいうべきお薬なのです。
戦後間もない頃の日本人の平均寿命は、約50歳。ところがいまでは、男女ともに80歳を超えて日本は世界に名だたる長寿国になりました。
寿命が急伸した現在では50代や60代で「老年期」に突入してしまうわけにはいきません。
「腎」の高揚期を少しでも長く引き延ばし、元気”に活躍しなくては生きている意味が半減してしまうからです。
生命活動の基本である「腎」が不足すると、全身の疲労倦怠感や冷え、脱毛や目のかすみ、夜間 頻尿につながります。また、子どもには発育不良 や夜尿症が現れます。
そうならないように、「腎」を高いレベルで維持することこそ“元気”の秘訣です。天皇をはじめ高貴な人が「薬猟」に出向き、こぞって求めたとい われるロクジョウは、まさに「健康」を叶えるため のお薬といえます。

さまざまな血のトラブルを解決に導く生薬
丹参[タンジン]
「100歳生きて当たり前」…世界に誇る長寿国となった日本では、いかに病気にかからず、いつまでも元気に老後を過ごすかが重要で、健康寿命
の延伸が課題となっています。
それを実現するための目標のひとつに、生活習慣病の予防があります。病気が重篤になってから病院に駆け込むのではなく、一人ひとりが日頃から自分の健康状態に留意し、「自分の体は自分で守る」意識がますます重要になってくるのです。
生活習慣病には、高血圧、脂質異常症、糖尿病などがありますが、その要因となる動脈硬化は、動脈の血管が硬くなって弾力性が失われ、血管 が詰まりやすくなった状態です。血流悪化を引き起こい進行すると狭心症や心筋梗塞、脳卒中など命にかかわる血流や血管の病気に発展してしまいます。
このような血流・血管の状態を改善する生薬の代表格として「丹参」が挙げられます。 丹参は主に血の巡りをよくすることで、その作用を発揮しますが、東洋医学では、血を動かすには目に見えないエネルギーである気の力も必要である、という考え方があります。
中国最古の医学書とされている『黄帝内経』には、気と血が身体を巡り、相互に協力し、バランスをとることで生命活動が営まれていると記されています。
つまり、「気が巡れば血も巡り、血が巡れば気も巡る」ということです。
したがって、膀血を取り除くには血の巡りをよくする生薬だけでなく、気の巡りをよくする生薬を配合した方がより効果的といえます。
実際に、丹生薬とともによく配合される生薬として、同じく血の巡りをよくする紅花、芍薬、川芎や、気の巡りをよくするる木香、香附子があり、これらが協調的に作用することから、現代の漢方薬として使用されています。
の延伸が課題となっています。
それを実現するための目標のひとつに、生活習慣病の予防があります。病気が重篤になってから病院に駆け込むのではなく、一人ひとりが日頃から自分の健康状態に留意し、「自分の体は自分で守る」意識がますます重要になってくるのです。
生活習慣病には、高血圧、脂質異常症、糖尿病などがありますが、その要因となる動脈硬化は、動脈の血管が硬くなって弾力性が失われ、血管 が詰まりやすくなった状態です。血流悪化を引き起こい進行すると狭心症や心筋梗塞、脳卒中など命にかかわる血流や血管の病気に発展してしまいます。
このような血流・血管の状態を改善する生薬の代表格として「丹参」が挙げられます。 丹参は主に血の巡りをよくすることで、その作用を発揮しますが、東洋医学では、血を動かすには目に見えないエネルギーである気の力も必要である、という考え方があります。
中国最古の医学書とされている『黄帝内経』には、気と血が身体を巡り、相互に協力し、バランスをとることで生命活動が営まれていると記されています。
つまり、「気が巡れば血も巡り、血が巡れば気も巡る」ということです。
したがって、膀血を取り除くには血の巡りをよくする生薬だけでなく、気の巡りをよくする生薬を配合した方がより効果的といえます。
実際に、丹生薬とともによく配合される生薬として、同じく血の巡りをよくする紅花、芍薬、川芎や、気の巡りをよくするる木香、香附子があり、これらが協調的に作用することから、現代の漢方薬として使用されています。

気の巡りを改善する生薬
麝香[ジャコウ]
老後や病気の心配、人間関係のイライラ、リストラ不安、ノルマのプレッシャーなど、現代人はつねにストレスに囲まれて生活しています。
そんな私たちにとってジャコウ(孵香)は、きわめて重要な意味を持つ生薬です。
東洋医学では、全身に張り巡らされた経絡(気の通り道)に、目に見えないエネルギーである「気」が通じることによって健康が保たれていると考えます。
そして病は、精神的ストレスや運動不足、冷えなどによって、この「気」が滞ってしまうことから発生すると考えるのです。
ジャコウジカの雄のジャコウ嚢または嚢中の分泌物を乾燥したジャコウは、古来、全身の気の巡りを改善し、病を防ぐ高貴薬として用いられてきた生薬です。
そのすぐれた効能はストレス社会においてなくてはならないものといえます。
そんな私たちにとってジャコウ(孵香)は、きわめて重要な意味を持つ生薬です。
東洋医学では、全身に張り巡らされた経絡(気の通り道)に、目に見えないエネルギーである「気」が通じることによって健康が保たれていると考えます。
そして病は、精神的ストレスや運動不足、冷えなどによって、この「気」が滞ってしまうことから発生すると考えるのです。
ジャコウジカの雄のジャコウ嚢または嚢中の分泌物を乾燥したジャコウは、古来、全身の気の巡りを改善し、病を防ぐ高貴薬として用いられてきた生薬です。
そのすぐれた効能はストレス社会においてなくてはならないものといえます。

血の巡りを改善する生薬
蟾酥[センソ]
老疲労や加齢などから心臓の働きが低下してくると全身に血液が充分に送り込まれなくなり、結果としてさまざまな症状が現れてきます。
どうきや息切れは心臓のポンプ機能の低下を示す注意信号です。また、めまいや立ちくらみといった脳貧血、下肢のむくみなども心臓からのメッセージといえるでしょう。
センソは心臓のポンプ機能を高めることにより全身の血液循環をスムーズにするとともに呼吸機能を促進し、さらに利尿作用によって体内の余分な水分を排泄し、これらの不快な症状を改善します。
そして心臓の拍動リズムを司る刺激伝導系に作用したり、自律神経のバランスを整えることにより不整脈にも効果を発揮します。
センソはストレス社会、超高齢社会に生きる私たち一人ひとりに大変価値のある生薬といえます。
どうきや息切れは心臓のポンプ機能の低下を示す注意信号です。また、めまいや立ちくらみといった脳貧血、下肢のむくみなども心臓からのメッセージといえるでしょう。
センソは心臓のポンプ機能を高めることにより全身の血液循環をスムーズにするとともに呼吸機能を促進し、さらに利尿作用によって体内の余分な水分を排泄し、これらの不快な症状を改善します。
そして心臓の拍動リズムを司る刺激伝導系に作用したり、自律神経のバランスを整えることにより不整脈にも効果を発揮します。
センソはストレス社会、超高齢社会に生きる私たち一人ひとりに大変価値のある生薬といえます。

物忘れを改善する生薬
健脳生薬[けんのうしょうやく]
超高齢社会となった日本では、“頭の健康”の問題がますますクローズアップされています。
頭の健康が損なわれはじめた時にあらわれる特徴的な症状は「物忘れ」で、これには、生理的なものと病的なものの2種類があります。
生理的な物忘れは「人の名前がなかなか出てこない」「タベ食べたメニューが思い出せない」などが代表的なケースで、その原因は疲れやストレスと見られています。
一方、病的な物忘れはアルッハイマー型認知症や脳血管性認知症に代表され、「家族がわからなくなる」「食事したことを忘れてしまう」などがこれに当たります。
“頭の健康’’は、高齢者のみならず、社会全体の克服テーマです。
頭の健康が損なわれはじめた時にあらわれる特徴的な症状は「物忘れ」で、これには、生理的なものと病的なものの2種類があります。
生理的な物忘れは「人の名前がなかなか出てこない」「タベ食べたメニューが思い出せない」などが代表的なケースで、その原因は疲れやストレスと見られています。
一方、病的な物忘れはアルッハイマー型認知症や脳血管性認知症に代表され、「家族がわからなくなる」「食事したことを忘れてしまう」などがこれに当たります。
“頭の健康’’は、高齢者のみならず、社会全体の克服テーマです。

脳の働きをよくする代表的な生薬

羚羊角(レイヨウカク)
ウシ科サイガレイヨウの角を粉末にしたもの

遠志(オンジ)
ヒメハギ科イトヒメハギの根あるいは根皮を乾燥したもの

沈香(ジンコウ)
ジンチョウゲ科ジンコウの材部のうち、とくに黒色の樹脂が沈着したのも

サフラン
アメヤ科サフランの花柱上部および柱頭

紅参(コウジン)
ウコギ科オタネニンジンの根を蒸して乾燥したもの

真珠(シンジュ)
ウグイスガイ科アコヤガイの殻内に形成されるいわゆる真珠です

龍脳(リョウノウ)
フタバガキ科リュウノウコウの樹脂を加工して結晶化させてもの